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Yoky's Newsletter #3 子育て世代の健康とウェルビーング - 公衆衛生総監の警告を受けて

Yohana 創業者のヨーキー松岡がお届けするニュースレターです。
経営者であり、4児の母でもある彼女がキャリアと人生を切り開くなかで得た気づきや学びを共有します。

“Parents Are Not OK” (親たちは大丈夫じゃない)

今週の初め、車でオフィスに向かう途中、いつも通りあるラジオ番組を聴いていました。しかし、米国公衆衛生総監*のビベック・マーシー氏へのインタビューが流れ始めたとき、あまりに内容が衝撃的だったため、思わず道路脇に車を停めました。

彼は最新の報告書のなかで、子育て中の親たちがかつてないほどの精神衛生上の危機に直面していると警告していました。彼自身も子供を育てる親として、疲れ果て、ストレスを感じ、孤独を抱えていると語っていました。彼は、アメリカに住む親の50%近くが、毎日完全に圧倒され、ストレスを感じているというデータを引用し、過去10年間で、親の時間的なプレッシャーと仕事は増えるばかりで、さらに子育てのタスクも増加し、親の幸福や人間関係の質にドミノ倒しのように影響をもたらしていると話していました。子育てはチームスポーツであり、ほとんどの親が「自分たちの村」を失い、もはや友人や家族、地域コミュニティに頼ることができなくなっていると語っていたのです。
*米国医務総監とは、議会の助言と同意を得て大統領により指名される、米国の公衆衛生政策を指揮する長官のこと。

4人の子供を持つ母親としてこれほど馴染みのあるトピックはないと感じました。

親になるということは、私の人生で最高の出来事でした。母親であることの一瞬一瞬を大切にしたいですし、4人の子供を産み育てましたが、もしもっと子供を持てるなら、そうしたいとも思います。しかし同時に、私たち多くの親が何十年もの間、沈黙のうちに感じてきたことを公衆衛生総監が口に出して認めてくれたことは、非常に意義深いことだと感じています。今回のことで、私たちが、恥じることなく、批判されることなく、もっとオープンにこのような会話ができるきっかけになることを願っています。

現代家族の生活は、ついていくのがほとんど不可能なほどに目まぐるしく変化しています。特に、ひとり親や共働きの親、あるいは家族の介護をする立場にある人は、自分の健康は後回しになりがちです。親が直面している精神衛生上の危機は、子供たちにも影響を及ぼしていると思います。

これは全く新しいトピックではありません。以前から、親や介護者、家族をサポートし、失われてしまった地域コミュニティに変わるこれからの支え合いの仕組みを生み出すことが急務であると私は話してきました。そして同時に、今こそテクノロジーを活用して人々と家族の心身の幸せをサポートするまたとない機会であると信じています。

近年親たちが直面している苦悩に対し世間の関心を向けた公衆衛生総監の発信を受けて、私がテクノロジーにぜひ助けてもらいたいと思う日常的なペインポイントをいくつか挙げてみようと思います。リストを共有することで、このような試練に日々直面している人たちがいた場合、少しでも孤独感が薄れてくれたらいいなと願っています。

家族とつながる(デバイスを使わない)食事の時間

どんなにクレイジーな生活を送っていたとしても、私たち家族が優先したいことがあるとすれば、家族での食事の時間です。しかし子供たちが大きくなるにつれ、特に我が家にはティーンエイジャーがいるため、一緒に夕食をとる時間を見つけるのは難しくなっています。たとえ時間ができたとしても、家族の誰かが会話をする代わりにスマホを取り出してしまうこともあります。テクノロジーは私たちをつなぐと同時に、最も重要な瞬間から切り離してしまいます。私はテクノロジーによって、家族の夕食のために意図的にデバイスを使わない空間を作る方法を見つけたいと思っています。これは我が家で、かなり苦労して作ってきたテクノロジーとの境界線のひとつです。このような食事の時間を取り戻すことで、私たちのつながりが深まり、家族や友人との新しい習慣やかけがえのない思い出を作ることができるのではないでしょうか。

高齢の両親の介護を手伝ってほしい 

子育てをしながら、そしてキャリアを積みながら、高齢の両親を介護することは、私たちの最大の課題のひとつです。高齢者介護を支援するためのツールはありますが、私はもっと総合的なソリューションがあればいいなと思います。特に、日本に住む私の両親のように、彼らが近くに住んでいない場合はなおさらです。医療予約の調整、服薬のリマインド、さらにはバーチャル訪問による交友を提供できるソリューションがあったらいいなと思います。これが実現すれば、遠く離れた高齢の両親を介護する私たちにとって革新的なことですし、病気で悩んでいる人たちの生活の質の向上にもつながるでしょう。

夫との楽しいデートを計画する

夫婦ともに忙しい生活の場合、デートを優先順位の最下位に落とすのはとても簡単です。しかし絆を深めるひとときは、二人の強い関係性の維持には欠かせないでしょう。テクノロジーがデートの予定を立てるだけでなく、私たちの興味に合わせた新しくエキサイティングなアイデアを提案するサポートをしてくれたらとよく思います。家で過ごす居心地の良い夜であれ、ちょっと贅沢なお出かけであれ、計画を立てる手間が省かれ、一緒に過ごす時間の優先順位がつけやすくなり、デートの約束を守りやすくなればいいなと思います。夫婦で9ホールのナイトゴルフに行ったあの日がどれだけ楽しかったかを二人に思い出させてくれて、さらに新しいゴルフコースを提案してくれるようなものがあれば、デートの優先順位は上がるでしょうし、大切なつながりを育むのに役立つものとなるでしょう。

自分の 「Me List 」をきちんと管理する

自分自身の健康を維持することは、私にとって常に挑戦です。毎月、自分の 「Me List 」を書き出すことと、「まず自分に酸素マスクをつける」ことを常に心がけています。ワークアウトの記録やタスクのリマインドだけでなく、ヘルスケアの目標を守るためのモチベーションを高め、励ましてくれるツールがあったらいいなと思います。働く親としての私のユニークな課題を理解し、責任と柔軟性の適切なバランスを提供してくれるもの。結局のところ、自分を大切にすることが、他のみんなを大切にする鍵なのだと思うのです。

働くサンドウィッチ世代(介護と子育てに悩む世代)の母としての自分の苦悩を振り返ってみると、大きな課題のほとんどは、自分自身と家族のケアにあることに気づきました。私たちがつながっていることを確認し、家族みんなが十分にケアされていることを確認し、そして私自身が自分のケアができているかを確認することが大変なのです。

公衆衛生総監はレポートで、「すべての親と介護者が健やかに暮らせるように、社会、政策、制度を転換する」ことを訴えています。両親や介護者を支援するためにもっとできることがあるのだと思います。そのためには、両親や介護者を評価し、支援し、勇気づけ、精神的健康と幸福に影響を与えうるストレス要因に対処できるような文化や価値観を醸成できるように社会規範を変えていくことが重要なのだと思います。

Yoky

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