横澤さんの推し・井桁容子先生(保育・子育てアドバイザー)直伝:感情的になりがちな親子へご機嫌でいるためのTips
今回は保育・子育てアドバイザーの井桁容子先生にゲストとしてお越しいただきました。
仕事に家事に育児にと、縦横無尽に大活躍中の横澤夏子さんによる、子育て家庭の怒涛の毎日を応援するPodcast番組。
こちらのnoteでは、各エピソードの書き起こし記事をお届けします。
日々の暮らしにちょっと役立つアイディアをお届けしたり、リスナーのみなさんから寄せられる「あるある」なおたよりに、笑いあり、涙ありで向き合っていきます。
「人はジャングルでも育つ」という言葉に救われた
横澤 私、井桁先生の言葉ですごく好きなのがあって。離乳食で悩んでたときに「人はジャングルでも育つんです」って教えてくれたんですよね(笑)今は文明の利器が備わってるけど、ジャングルだけの世界でも人間の先祖は代々生きてきて、それを引き継いで今の私たちがあるってことはどこでも生きれるんですよ、みたいなことを言っていただいて、それですごい肩の荷が下りて。
井桁 それはもう、私自身がそうだったから。子育てをしていて「なんでこんなに悩むんだろう」と思ったときに、「ジャングルにいると思えばいいんだ」って。なんにもないところでも生きてることさえうまくいってればいいんだっていうふうに、自分を救うために考え出したことなんですよ。
横澤 そうだったんですね。先生はいろんな各地方で子育て講演会をされているそうですが、どんなお話をされてるんですか?
子育てに点数はない!
井桁 人はつい頭で子育てをしちゃいそうになるけど、なんでそんなふうになったかなって思うと、お母さんやお父さん自身が育つときに競わされてきたからなんですよ。
横澤 え? どういうことですか?
井桁 子どもの頃から目に見えるものがいっぱいできる人、資格でもなんでも人よりいっぱい持ってる人をお利口さんって言っていた時代だったんですよね。だから子育てをしても「お母さんとして100点取らなきゃ」って思ってる人がいっぱいいる。でも、それだとお子さんの気持ちとどんどん離れていくから、ますます手がかかるようになっちゃうんです。
横澤 何点取ればいいんですか?
井桁 点数は、ない。横澤さん、そこですよ(笑)。お子さんといて、機嫌がよければいいんです。
横澤 そこがね〜、なかなかできないんですよね……! 子どもと一緒にいて機嫌がいい自分でいたいけど、やっぱりカリカリしちゃったりします。
親の感情表現は子どもに大きく影響
井桁 お母さんが感情まみれになるほうが、多分子どもはわかりやすいと思いますよ。
横澤 え!! 私、めちゃくちゃ雄叫び上げてますよ。「あー! やめてー!」って。そういうのは子どもにとっては悪影響な気がするんですけど。
井桁 「騒いでいても、お母さんの本質はこうだな」って子どもは知っているから。
横澤 ちゃんとわかってるのかな。ただ機嫌が悪いからまた怒ってる、叫んでるって思われないのかな。
井桁 思うこともあります。だから大事なことは、感情で怒っちゃったときって少ししたら「まずい」って自分で思うじゃないですか。そのとき必ず謝ればいい。「ごめんね、私、疲れてたの。嫌な言い方しちゃったね」って言っておけばいい。そうするとお子さんはそのこともわかるようになるから。ただぶちまけたままだと、お子さんが言いたいことを言わないで我慢しちゃうんですよ。だから我慢のポイントが溜まっちゃう。すると、ある日わけのわからないとこで爆発するんです。
ワーッて言うのはいい、言ってしまったらしょうがない。でも、できれば穏やかに言うといいですよね。なぜかというと、お子さんはお友達との関係性の中でお母さんの感情表現を使うから。
横澤 え、待って、お母さんがぶちまけてたら、同じようにお友達にぶちまけちゃう?どうすればいいんですか。
井桁 カーッとなりそうになったら一呼吸置いて、「あのね」って説明をする。お母さんが「フーッ」ってしながら「あのね」って言うと、それまでもが見本になるんですよ。
横澤 「子どもは親の鏡」って言うけど、実際にどういうところで活かされるんだろうって思ったときに、お友達へのリアクションだったり反応ってなると、いちばん気をつけなきゃってなりますもんね。これは沁みる……ちゃんと気をつけなきゃいけないですね。
おもちゃの取り合い、どう対処する?
上の子を尊重することが大切
横澤 三女が1歳なんですけど、最近、姉たちにおもちゃを奪われて泣いて、また無理やり奪い返してっていう連続。1歳だから怒らないで済んだらいいんですけど、姉たちも見てるから多少なりとも怒らないと示しがつかなかったりとか、姉たちにずっと我慢させることになるって考えると、1歳の子にどう諭せばいいんだろう、どう怒ればいいんだろうっていうのがいつも難しいんです。
井桁 1歳はね、見たもの全部に手を出したくなるの。そういう年齢なんですよね。だからお姉ちゃんたちには、小さい子が来ないように別の場所を確保してあげる。上の子を尊重してあげるんです。
横澤 テーブルの上でできる遊びとか塗り絵とか、地べたじゃないところに確保してあげるのか。
井桁 そうそう。もしくは下の子を別の方向に連れて行くとか、「今はお姉ちゃんたちはこんなに大事な遊びをしてるので、あなたはもう少し後ね」って言って、わざと小さい子のほうを我慢させるんですね。
すると、お姉ちゃんたちに「そこまでしなくても一緒に遊んであげるよ」って気持ちも出てくる。
横澤 我慢させてる状況を見せると。
井桁 そうそう。やっぱり下の子はむやみやたらと上の子のものを背伸びして欲しがるもの。でも上の子は意図のある遊びをしてるので、本来はそっちを尊重すべきなんです。
そうしていると、お姉ちゃんたちが「こっちぐらいなら貸してあげられるよ」と自分の中のキャパをちょっと片付けて「受け入れようかな」って思いも育つ。でも「仲良くやりなさい」って言うと、次元が違う遊びをしてるのに下の子はただ邪魔をしにくるだけだから、お姉ちゃんとしてはイラッとする。なので今度は逆のことをしてみたくなる。でも尊重されたら上の子たちにはそのことの意味がわかるので、下の子を許すというフォルダができあがります。
泣く=手に入る、の思考を断ち切る!
横澤 でも下の子がめちゃくちゃ泣くんです。「ぎゃー!」ってでっかい声で。そういうときも「はいはい、わかったわかった。もうこれは遊べないよ」って泣いてる子に伝えるってことですよね。
井桁 うん。泣いても大丈夫なときと大丈夫じゃないときがあって、その声のボリュームで状況は変わりませんっていうことを。
横澤 それを1歳の子に?
井桁 大丈夫。一人前の人間として扱ってあげるんですよ。何歳であろうと人の行為を邪魔するようなことはあっちゃいけないから、そんな泣いたって残念ながらダメなのよ、と。そうすると、騒ぐことで手に入るというスイッチが入らなくなる。でも大きい声で泣いてうるさいから「はいはい」ってやってしまうと「この手は効くな」って思っちゃう。だから「涙とか声の大きさではありませんよ」っていうことを教えてあげるんです。
1対1の特別な時間を作ってあげる
横澤 すごい。ちなみに、下の子と「これはお姉ちゃんたちが今遊んでるんだから我慢しなさい」「イヤー!」ってやってると、姉たちがたまに譲ってくれるときもあるんですよ。そういうときに譲りっぱなしでいいんでしょうか。結構、姉が譲るシステムみたいなのができちゃってて。
井桁 それは良くない。「お姉ちゃん、たまには自分のことを自分でやっていいよ」って。「お姉ちゃんにもやりたいことあるもんね」っていうふうにしたほうがいいですよ。
横澤 譲ろうとしても「いいよ、譲らなくて」ってこっちが言うんだ。
井桁 それでもお姉ちゃんが譲ろうとしてたら、後で別のやり方でお姉ちゃんだけを満たすようなことをする。平等に3分の1の愛情じゃないんですよね。3人きょうだいでも1人1人、入れ物があるから。なのでお姉ちゃんだけに特別な関わりをして、「2人には内緒ね」って言って穴埋めしてあげるといい。「2人だけで散歩行こうか」って2人だけで夜の散歩してみたり。
特別に物を買ってあげるとかじゃなく、心の満足度があれば、これはえこひいきにはならないから。
迷ったらご機嫌になれるほうを選ぼう
横澤 子育てってどんどん移り変わっていきますよね。井桁先生が見ている最近のお父さんお母さんは、どういう傾向にある方が多いですか?
井桁 みんな一生懸命ですね。なのに、子どもから離れている感じがもったいないと思ってます。こんなに一生懸命情報を集めて一生懸命努力してるのに、お子さんの求めてるものとずれまくる。それが気の毒だなって。
横澤 子どもが求めてるものっていうものが果たしてなんなのか、なかなか気づけないんです。それってやっぱり「一緒にいたい」とか「ニコニコしてるお父さんお母さんがいい」とか?
井桁 そう。そばにいたらご機嫌な人がいちばんいいんですよ。
横澤 そうですね……自分の機嫌を自分で取っていかなきゃいけないですね
井桁 悩んだら自分も子どもも機嫌の良くなるほうを選択することです。
【ほかにも…】
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