
木下ゆーきさん(子育てインフルエンサー)の発想転換術:「できないけど、わかってはいる」でOK-「横澤夏子の『本日も送り迎え』」#16
前回に引き続き、今回のゲストは木下ゆーきさんです!
仕事に家事に育児にと、縦横無尽に大活躍中の横澤夏子さんによる、子育て家庭の怒涛の毎日を応援するPodcast番組。
こちらのnoteでは、各エピソードの書き起こし記事をお届けします。
日々の暮らしにちょっと役立つアイディアをお届けしたり、リスナーのみなさんから寄せられる「あるある」なおたよりに、笑いあり、涙ありで向き合っていきます。
【定期コーナー】最近頼ったこと
横澤 最近頼ったことはなんですか?
木下 5年ぐらい前に家族で広島県に移住したんだけども、海鮮がすごくおいしいんですよ。僕、すごく料理が好きなんです。だから漁師さんがいい魚が手に入ると直で連絡くれるの。
僕が魚をさばけるって知ってるから、「今日、いいのが手に入ったよ」って。それでありがたくもらっちゃったりして、そのへんはすごく頼ってます。僕は実家が名古屋で妻は東京で、周りに親戚もいない広島に移ったけども、そういう漁師さんの温かさとかに頼ってるな、って。
妻といつも言ってるの。「遠くの親戚より近くの漁師だね」って。
横澤 いやいや、なかなかいないのよ、近くの漁師(笑)。
私は、子どもがまだ小学生になってないんですけど、学童保育を調べなきゃいけないってなったときにYohanaさんに全部調べていただいたんです。
家の近所で、送り迎えがあって、もしスイミングとかほかの習い事もするとなったらそこにも送ってもらえるとか、そういう可能性を全部書いて「ありますか?」って聞いたら5つぐらい出てきて。「こんなにあったんですか!?」ってなりました。
木下 そんなサービスが!?
横澤 すごいありがたいんです。
木下 それって広島でも使える?
横澤 全国で使えます。アプリですから。
こないだは「旅行に行きたいので、沖縄でおいしいお店を探してください」って相談したら、おいしいお店をバーッと出してくれて。でも結局行けなくて「行けなくなっちゃいました」って送ったら、「こちらでキャンセルしておきますね」って。
木下 何それ〜!
一番大事にしているのは「頑張らない」こと
横澤 今3人のお子さんを育てながらお仕事されていて、その中でいちばん大事にしてることってなんですか?
木下 いちばん大事にしてることはね、「頑張らない」。
横澤 「頑張らないことを頑張る」みたいな?
木下 そう。変に期待したり「これをやってあげよう」みたいに目標をちょっと高めに設定しちゃうと、できなかったときに「自分ってダメだな」って気持ちになっちゃうから、もう無理しない。頑張らない。子育て以外でもそうなんだけど。
横澤 奥様とすごく仲いいイメージもあります。
木下 仲良くさせてもろてます。
横澤 素晴らしい。木下さんが家でめちゃくちゃ笑わせてくれて、それを笑いながら動画を撮ってくださる奥様って印象なんですけど、ずっとそういう関係性なんですか?
木下 そう、ずっとそんな感じ。
結婚して8年目、出会ってから10年ぐらいだけど、1回もケンカはしたことがなくて。
横澤 そうなんだ……! それはどうしてですか? どんなことに注意すればケンカしなくなるんですか?
木下 多分ね、妻が寛容なんだと思う。
たとえば洗面所の鏡に歯磨きしたのが飛んじゃって、鏡が汚れてるときってあるじゃない。僕が汚して気づかずにそのままにしちゃったときに、妻に「ちょっと鏡汚いよ」って言われたのに対して「え!? 大家さんに言ったほうがいいかも!」みたいに、ちょっとボケで返したりしてたのね。普通だったら多分そこでイラッとしちゃうと思うけど、そういうのでも笑ってくれるから。
イライラした出来事をあえて保存する
横澤 スマホに「悲惨な光景」ってアルバムを作ってらっしゃると聞いたんですが、これはどういうことですか?
木下 子育てしてると、悲惨な状況に陥ることがたくさんあるじゃない。そういうときに写真を撮って、「悲惨な光景」ってアルバムをiPhoneに作っておいてそこに入れてるんです。
目の前で悲惨な光景、たとえばボックスティッシュが全部出されてるとか、離乳食全部こぼされたとかってときに、一瞬イラッとしちゃうんだけどこのアルバムがあるだけで「よかった、またあのフォルダに写真増えるわ」っていう気持ちにちょっとなれるの。
横澤 すごい! え、それ、素晴らしい。本当!?
木下 でもアルバムを作ろうと思って始めたわけじゃなくて。今12歳の長男がまだ1歳だった頃に、僕が買い物袋を床にそのまま置いてほかの家事をしてたら、長男が袋から買ってきたものを取り出して、生のスルメイカのパックを開けて指でツンツン触ってて。
「わーっ、何やってんの!」と思ったんだけど、何気なくその写真を撮っておいたのね。
5年ぐらい経ったときに見返したら「こんなことあったな」って微笑ましくなったんです。で、よくよくちゃんと見てみようと思って、イカのパックのラベルの部分を拡大してみたら、「スルメイカ 100円」って書いてて「この頃、イカ安かったなー!」って。
横澤 全てに懐かしさを覚える(笑)。
木下 こんなことあったな、イカ安かったな〜、って。そういう驚きも感じることができるから「こういうアルバムを作ったほうがいいかも」って、それがきっかけで作ったの。
横澤 そうかぁ。見やすくなるし、思い出化するし。「悲惨な光景」フォルダに入れようって、達観できるんですね。
木下 悲惨の度合いが大きければ大きいほど、後で友達とか家族に見せたとき、数年後見返したときに笑いがより大きくなるから。「やった、またフォルダに写真増えるな」って気持ちになれるんです。
横澤 私、長女に初めて「自分で食べてごらん」って納豆ごはんをあげたときに、頭から足まで全部納豆だらけになったの。ネバネバ星人みたいな。その写真がねぇ、全然出てこないんですよ。絶対撮ったはずなのに一生出てこない! そういうのも「悲惨な光景」に入れておけば……。ほかにアルバム名はないんですか?
木下 ほかにアルバムはないんだけど、メモは残してる。メモ帳に「喜・怒・哀・楽」で分けてエピソードを書いてます。
横澤 え、すぐ『さんま御殿』出れるじゃん! さすがすぎ。
木下 やっぱり子育てしてるとイラッとすることとかたくさんあるけどさ、イラッとしたときに「でもまた『怒』のところにエピソード増えるな」って思えるの。
横澤 すごいな〜。それは全部スマホでやってますか?
木下 スマホでやってる。別で「メモを作ろう」ってなると負荷が大きくなって、続けられなくなっちゃうから。
「わかってはいるけどできない」より「できてないけどわかってはいる」
横澤 私、1日中「ごめんなさい」って言わせてるんじゃないかと思ってすごいへこむときがあって。
ずっと子どもに謝らせてる気がして、「ごめんなさい」を搾取してるというか、ずっと怒ってるなぁ、ってときがあるんですよ。
そういうときはどうやって自分の気持ちを落ち着かせてますか?
寝かしつけた後に「ごめんね」って思ったりするけど、反省してもしてもしきれなくて。
木下 それはわかる。わかるけど、でも反省してるのは子どものことを考えてるからだなって思いますよ。子どものことを適当に考えてたら反省もしないし、怒っちゃっても「この子が悪いことをしたから怒られて当然だ」って思っちゃうと思う。
子どものことを思ってるからこそ「強く言いすぎちゃったな」って反省するんだと思うから。悩んでる親こそいい親なんだと思う。
横澤 いいお言葉! 本当にありがとうございます。リスナーさんからは「3人育児を効率的にするアドバイスがほしいです」っていうメッセージが多いんです。リスナーさんの心が少しでも軽くなるようなアドバイス、ありますでしょうか。
木下 いやいやいやいや、3人の子育てなんて、効率良くできるわけがない!
横澤 「効率良く」とかはあんまり考えないですか?
木下 無理無理!
横澤 逆に「効率良く」を求めないほうがいい?
木下 頼ったほうがいい。子育てしてると「自分がもう1〜2人いたらなぁ」なんて思うシーンが多いけど、自分を増やすことなんてできないから。
そういうのは頼っちゃったほうがいいと思う。頑張ろうとしない。でも頑張ろうとしてる時点で、もうすごいんだよ、って。
効率良くとか、子どもに対して優しくしてあげたいと思ってるのにできないとか、もっと子どもの言うことを尊重してあげたいけどできない、みたいなことってあるじゃない?
「頭ではわかってるんだけどできてない」って自分を責めるきっかけになっちゃうと思うんだけども、「わかってるけどできてないな」って考えになったときはちょっと逆転させて、「わかってるけどできてない」じゃなくて「できてはないけど、わかってはいる」って考える。
横澤 え、すごい。「わかってはいるけどできない」より「できてないけどわかってはいる」。
すごい良い考え方。できてることを最後に持ってくるんだ。
木下 そのほうがちょっとメンタル良くなると思う。
「効率良くやりたいけど、できてないな」じゃなくて「効率良くできてないけど、効率良くしたいな。子どもと触れ合う時間をもっと増やしてあげたいな」とは思えてるってだけで、「ちゃんと子どものこと考えてるな、自分」っていうふうに思えるから。
【ほかにも…】
・テーブルから箸が落ちそうなときは、落ちるに任せる! 「頑張らない」の実践
・とんかつの最後の一切れが固かった…至極の“喜怒哀楽”エピソード
・横澤家の子どもたちが生み出した「やだやだ」→「ごめんなさい」の謎ルール

Yohanaの公式Instagramアカウントでは、いそがしい家族の毎日をより良くするためのTipsを多数ご紹介しています。ぜひフォローしてくださいね。