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井桁容子先生(保育・子育てアドバイザー)と横澤さんが皆さんのお悩み解決!子どもを「満たす」向き合い方とは‥?

仕事に家事に育児にと、縦横無尽に大活躍中の横澤夏子さんによる、子育て家庭の怒涛の毎日を応援するPodcast番組。
こちらのnoteでは、各エピソードの書き起こし記事をお届けします。
日々の暮らしにちょっと役立つアイディアをお届けしたり、リスナーのみなさんから寄せられる「あるある」なおたよりに、笑いあり、涙ありで向き合っていきます。


15分間だけは真剣に向き合うと決める

横澤 今回は、みなさんから届いたお便りを井桁先生と一緒に見ていけたらと思っております。まず1通目は、ラジオネーム【牛乳】さん。

「30代で1歳児を育てています。仕事に復帰してから子供と関わる時間が激減して関わりも丁寧にできなくなり、これでいいのかなと思っていたのですが、横沢さんのお話を思い出して生活を楽しもうと切り替えられるようになりました」

いや、わかります。復帰した後、「子どもとの時間、ちゃんと取れてるかな」ってすごい心配になるんですよね。先生、これはどうすればいいんでしょう。

井桁 子どもって、親と四六時中一緒にいたいわけじゃないんですよ。

横澤 え、嘘!

井桁 だって本当は自由に生きていたいから。不安だったら親が必要だけど、そうでなければ好きなように生きていきたいでしょ、みんな。
なので、四六時中一緒にいてあげられないことに罪悪感を覚えるんじゃなくて、一緒にいるときに、私は15分でいいと思ってるんですけど、15分だけほかのことを考えないでお子さんのそばにいる。長く一緒にいても上の空の人って、子どもはわかるんですね。

横澤 「ごはん何時に作ろうかな」とか「今日の献立にしようかな」って思いながら一緒に遊んでると、バレちゃうんですね。

井桁 そう。時計を見ていいから、15分は何も考えずにお子さんと今そこに心を置く。それがすごく効き目があります。やることはなんでもいいんですけど、上の空で仕方なく付き合うやり方だと、何時間やっても子どもが「もっともっと」って言うんですよ。ところが何にも考えずにそのことだけに没頭してあげると、子どもは大満足で「ママ、お台所行っていいよ」とかなるんですよ。本当はママにやることがあるのも知ってるから。

横澤 その濃密な15分はどういうタイミングで取るのがいいんでしょう。

井桁 子どもが「お母さん、ちょっと来て」って言ったときですね。

横澤 そこがスタートか。でもそういうときって本当に忙しいときが多いですよね。

井桁 「お母さん、ちょっと来て」って言われて、「ここで時間をとったら一品減るかもしれない」ってときもありますよね。そこで「わかった。ご飯のおかず作ってるけど、今行ってほしいなら火を全部消していくよ。5分ぐらいなら大丈夫かな」ってちゃんと譲る。これがね、結構面倒くさいようでいて、「お母さんは大事なことをしていても、私が求めているときにはきちんと応じてくれる」って思うと、子どもの中にお母さんの信頼ができるのでやたら呼ばなくなります。

「イヤイヤ期」改め「わかってもらえない期」

横澤 ラジオネーム【お近くのラーメン屋】さんからいただきました。

「私は3歳の娘と4か月の息子を持つ2児の母です。最近は娘の要求が細かくなってきて困っています。例えば保育園ごっこをしようと言われて付き合ってると〇〇先生はそんなこと言わないと怒り、泣き出したり、ご飯もこのスプーンは嫌だとか、ご機嫌取りに腫れ物に触るように接するのも嫌なのでこっちもついかっとなって大きな声を出してしまったり、毎日後悔の連続です」

全く同じ。以下同文、って気持ちでいっぱいです。イヤイヤ期の親の気持ちの持っていき方が、3人産んでも私はうまくならないなって思うんですよ。

井桁 学術的にいうと、イヤイヤ期って実はそばにいる大人の捉え方、関わり方で、長くなる人と短くなる人と分かれるんですよ。
さっき言った「ママ、こっち来て」も一緒ですけど、子どもが自分の思いを表現したときに「イヤじゃないでしょ」って言うか、「何がイヤなの?」って聞くかで違うんです。

横澤 うわー! 「イヤイヤ」の原因を聞くんですね。

井桁 本当はね、私は「イヤイヤ期」って言いたくないんですね。

横澤 じゃあ、なんて言うんですか?

井桁 「わかってもらえない期」。

横澤 かわいい(笑)。

井桁 せっかく「イヤ」って言えるようになったのにわかってもらえない期が長引くか、早くわかってくれるかで変わる。最初の「イヤ」のボリュームが100になる前、10ぐらいのときに「何が?」って聞く。

横澤 まずそこからスタートなんですね

井桁 ボリュームが100まで行っちゃうと「この人は騒ぐまでわかってくれない人」という関係性ができあがっちゃうんですよ。

横澤 手前の小さい「イヤ」を摘み取っておくのが大事なんですね。何がイヤなのか、聞いてあげる。

井桁 そう。全部言うことを聞くってことじゃないんですよ。わかろうとしてあげる。「そっか、これがびっくりするんだね。じゃあこうしていこう」「ここをこういうふうにするといい? これぐらいだと、どう?」っていうふうに。人間はね、加減ができる人のほうが有能なわけで。声の調子も、「助けて!」って言うときは大きな声を出せないといけないから大きな声も出しておく必要はあるんですよ。だけども「こういうときはちっちゃい声でもわかるよ」って言えば、子どもは小声で「お母さん」っていうようになるんです。

子どもへの向き合い方は夫婦間での「バランス」も大切に

横澤 続いては、ラジオネーム【ポカリ】さんからいただきました。

「私は今3歳0歳過去10か月の2児の母です。
私は子どもを産むまでは子どもとの接し方がわからずに極力子どもと関わらないようにと苦手なタイプでした。しかし長男が生まれてからは、我が子ってこんなにかわいいのかと毎日溺愛!
ただ、夫は逆で、土日しか子どもと過ごせないのに、その土日に1人の時間が欲しいというタイプです。そして我が子にかわいいとあまり言ってくれません。
家事は率先してやってくれるし、育児もやってくれます。ただ同じテンションのかわいがり方ではないのが少し寂しく感じます」

井桁 お気持ちはわかるんですけど、2人ともそういう親だったら、お子さんからしたらちょっと鬱陶しいですよね。

横澤 「かわいい」「かわいい」って親バカ2人だったら「もういいよ」ってなっちゃうのか。じゃあちょうどいいバランスをご主人は取ってるってことなんですね。

井桁 育児もその他のこともやってくださるってことですしね。ちゃんと距離を置きながら人として見ている、人として尊んでいるお父さんなのかもしれません。

横澤 ポカリさんは、ご主人に「あなたももっと『かわいい』って言ってよ」なんて言わなくていいんですね。

井桁 うん。「かわいい」じゃない見方で愛を伝えてると思うから。
そのバランスがすごくいいと思います。

人の言葉が沁みるくらいの心の余裕は持ちたいところ

横澤 たしかに。いや、すごい勉強になります。いろいろと大変ですけど、子育てに関して夫婦間で共感できるのが嬉しかったりするじゃないですか。私は夫に「子どもが今日これやってたよ」「あれやってたよ」みたいな感じで言うんですけど、夫は子どもの内容に関して笑うこともあれば、「怒り方がキツすぎない?」とか言われることもあって。お互いの怒り方の温度が結構喧嘩の原因になりやすいんですよ。私も「いや、そんな怒らなくてもいいじゃん」って喧嘩になったりするんですけど。そこで調整というか話し合いはしたほうがいいんですか?

井桁 話し合う必要はありますよ。子どもが寝てからね。やっぱりそこのトーンはある程度一致してたほうが、子どもが不安にならない。「別の立場で見れば、そんなに怒ることでもなかったみたいだね」っていうようなことを、お互いに言い合いながらお互いも育つところもあるから。

横澤 私の場合、「いや、言い方キツすぎるだろ」って言われると「は!?」ってめちゃくちゃ怒っちゃうんですよ。「私だっていっぱいいっぱいで、仕方なかった。あの言い方しなきゃ聞かないんだよ」みたいに、立ち向かっちゃうんですよ。そういうのは……?

井桁 できればもう少し引っ込めたほうがいいですね。
感情的にいっぱいいっぱいになってるときって、人をはねのけるんですよ。頑張ってる人は「大丈夫ですか」ってたずねると「そう言ってもらえると元気が出ます」なんだけど、頑張りすぎてる人は「大丈夫です! なんともありません!」って、人を弾いていくんですね。子どもたちも周りにいる人も「この人、隙間がないな」と思うと、あんまりいいことは起こらない。なので、人の言葉が沁みていくぐらいの余裕は必要です。

横澤 その隙間がないとき、ありますね……。

井桁 でもね、そういうときは「綺麗なグラスで水を飲もう」とか「星空を見よう」とか、「ちょっとだけ遠回りしよう」とか。

横澤 今年、星空見てないなぁ。そういうことをやって、ちょっといっぱいいっぱいになってるんだなっていうのに気づいたほうがいいんですね。

井桁 そう。気づくとね、ちょっと空見て「綺麗」って思うだけで、なんか隙間が空くから不思議ですよ。

横澤 相手にも隙間を作らせるにはどうすればいいですかね?

井桁 それも一緒に綺麗なグラスで何か飲むとか、ろうそく灯すとか。「忘れてたね、こういう時間」ってしっとりする感じで引き込む作戦もあるし、どちらかがちょっとゆとりがあるとぶつからずに済むこともあるので。少しは人のことを受け止められるような大人になるために、子育てっていい修行の場なんです。

【ほかにも…】
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