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【食×子育て】悩みがない家庭はない! ”彼ごはん”料理家のSHIORIさんをゲストに迎えて-「横澤夏子の『本日も送り迎え』」

仕事に家事に育児にと、縦横無尽に大活躍中の横澤夏子さんによる、子育て家庭の怒涛の毎日を応援するPodcast番組。
こちらのnoteでは、各エピソードの書き起こし記事をお届けします。
横澤さんとゲストのおしゃべりで、日々のくらしにちょっと役立つアイディアをお届けしたり、リスナーのみなさんから寄せられる「あるある」なおたよりに、笑いあり、涙ありで向き合っていきます。


今回のゲストは料理家SHIORIさん

横澤 今回からゲストをお招きしております。本日のゲストは、レシピ本累計400万部を超えていらっしゃいます料理家のSHIORIさんです。私、「この番組でどなたかお会いしたい方はいますか」って聞かれて、すぐ「SHIORIさんです」って言ったんです。
 
SHIORI うれしすぎる! ありがとうございます。
 
横澤 私が17歳のとき、「何このかわいい本!」って買って、読んで。こういうのを作れる女の子になりたいと思って、自分で作った日は日付を書いてました。
 
SHIORI 嘘でしょ!?それは当時の彼に作ってたの?
 
横澤 そうなんです(笑)。「お付き合いしたらこうやって彼にごはんを作ってあげるんだ」って、すごい憧れてたので。私はSHIORIさんに料理の基本を教えていただいたと思ってるんです。
 
SHIORI ありがとうございます、本当にうれしい。

料理家でも子どもの食には悩みます

横澤 お子さんが生まれて「何を作ろうかな」というのは特にシフトチェンジはなかったんですか?
 
SHIORI 離乳食とか子どものごはんは、私も絶賛苦戦してるんですよ(笑)。
 
横澤 え、嘘! お子さんは今おいくつですか?
 
SHIORI 4歳なんですけど、絶賛偏食だし、いちばん好きなのはフライドポテト。
 
横澤 わーー!! 同じ! 

フライドポテト×ケチャップが結局正義

SHIORI ポテトとケチャップの組み合わせが大好き。だから常にケチャップを携帯してるんですよ。どこに行っても絶対「ケチャップは?」、ポテトはあっても「ケチャップが欲しい」って言うので。
 
横澤 うちの子も、なんならケチャップだけで舐めてます。
 
SHIORI 「なんで子どもってこんなにケチャップが好きなんだろう」って結構衝撃だったんですけど、どうやらウチだけじゃなくて子どもは“ケチャップ期”があるんですよね。いちばん好きな調味料はケチャップから入るって学んで、もう逆らわずにケチャップを携帯するようになった。
 
横澤 私の憧れのSHIORIさんが、いっぱいレパートリーがあっても結局お子さんが食べるのはケチャップとポテト……。
 
SHIORI あとは素うどんとか。
 
横澤 なんかもう、すごい安心する(笑)。


食が細くて全然食べてくれない…本当に悩みだった

横澤 SHIORIさんはお子さんの料理をどうしてるんだろう、って思ってたんです。
 
SHIORI
 仕事より難しいと思った、自分の子どもの料理は。気分によってというか、全然食べてくれないんです。食が細くて。
 
横澤 そう、食べてくれないんですよね。
 
SHIORI それで結構悩んだんですよ。周りのママに聞くと「いや、うちは食べるよ」とか、一緒に遊んでるときにしっかり食べてくれるお友達も多かったから。
 
横澤 わかる!

 悩みって人それぞれなんだと気づいた瞬間

SHIORI 「なんでうちの子は食べないんだろう」って、「なんで、なんで」の思考になってしまったんだけど、よくよく話を聞くとママたちもみんなそれぞれに悩みがあって。ママ友が「うちの子はなんでも食べすぎちゃって、おかわりが止まらない。自分の分を食べ終えた後、きょうだいの分を取ったり私の分まで食べようとしたり、リミッターがなくて食べ続けちゃう」って悩んでたんですよ。食べないほうからすると「羨ましい」と思うんだけど、その話を聞いたときに「みんな、いろいろ悩んでるんだな」って思って。
 
横澤 悩みって本当に人それぞれですね。SHIORIさんはどんな試行錯誤をしたんですか?
 
SHIORI ありとあらゆるものを作ったし食べさせたけど、「これがうまくいった」っていうのはなかなかなかったかな……。
 
横澤 ブームもありますしね。
 
SHIORI その子の気分も大きいかなと思って。ただ、一個良かったのは、うちの子は普段野菜を食べないんだけど、保育園で農園みたいなのをやっていて、連絡帳に「今日はみんなで小松菜を収穫して、調理師が園児の前で調理して食べさせたら息子くんも食べましたよ」って書いてあったんです。
 
横澤 すごい! あの小松菜を!? いちばん苦い野菜。
 
SHIORI そう! だからやっぱり、作られている過程をちゃんと目で見て、しかもみんな一緒だったりすると食べるんだ、って発見があって。それからは息子と一緒に作るようにしたり料理の過程を見せたりしました。あと、子どもの友達が来てくれてるときに、みんなに同じものを出すと普段は食べられないようなものでも友達と一緒なら食べるかなと思ってトライしたり、いろいろやった。でもねぇ、「これは効果てきめん」っていうのは正直つかめなかったです。
 
横澤 いやー、難しい。日々それと戦う感じですよね。

心配しなくても、お腹がすけば、食べる。

SHIORI でも食が細いのに背はぐんぐん伸びて、「何食べて成長してるんだろう。空気かな?」って不思議でしょうがなかったんだけど、4歳くらいになって活発に動くようになったらエネルギーが足りないのか、食べるようになってきた。3歳の終わりぐらいから「あれ、なんか最近食べるな」って。
 
横澤 動くようになったら本能で「足りない!」ってなったんだ。
 
SHIORI そう。自ずと食べるようになってくるから、これはもう待つしかないのかなって。
 
横澤 うちも朝昼全然食べなくて「どうすんだ、夜めちゃくちゃ食べさせなきゃいけないじゃん」って思ってたけど、結局お腹空くと食べるんですよね。
 
SHIORI
 そう、お腹空くと食べる。
 
横澤 でもこれに気づくのにめちゃくちゃ時間がかかりました。朝食べなかったら昼までの間に死んじゃうよ!? って(笑)。
 
SHIORI 死なない、死なない(笑)。初めての子だとそれくらい「どうしよう、どうしよう」ってなっちゃうんだけど、そのうち腹が減れば食べるかなって、ちょっと気持ちを楽にして。

SHIORIさんのおうちの食卓

毎日の食事は頑張りすぎずに。

横澤 ちなみに朝ごはんは何を食べてるんですか? SHIORIさんと息子さんは同じものを食べる?
 
SHIORI 朝は息子は息子だけで、大体おにぎりかサンドイッチ。
 
横澤 サンドイッチ!
 
SHIORI でも潰したバナナとかジャムとか挟んだだけで。
 
横澤 おにぎりの具はなんですか?
 
SHIORI 具じゃない(笑)。
 
横澤 混ぜ込み?
 
SHIORI 混ぜ込みでもない、ごめん、ふりかけ……(笑)。
 
横澤 (爆笑)。たしかに、いちばんおいしい。
 
SHIORI 子どもってふりかけ好きなの。うちの子は具を入れると食べない。
 
横澤 そうかも。うちの子も具を全然楽しみにしてない。
 
SHIORI そう。具を入れると「それじゃない、もっと小さくて丸いやつ」って言われて。それにふりかけをまぶすしかない! いろいろやって、たどりつきました。
 
横澤 一緒、一緒。じゃあちびっこおにぎりをいくつか作るんですね。うわー、すごい。
 
SHIORI いや、すごくないよ。こちら的にはいちばんありがたいけど「それでいいんですか?」って感じで。

こどもの好みに全部合わせてはられない!

横澤 もうねぇ、SHIORIさんがそれを話してくれるっていうのが私はすごいうれしい。うちもちびっこおにぎりにのりたまです。夜はいつも帰ってきてから作るんですか?
 
SHIORI 余裕があるときはお迎え前に作る日ももちろんあるけど、大体は帰ってきてから「今から作るね」って。でも作ってる途中で「それじゃなかった」とか言われるんですよ。
 
横澤 本当にそう。「今日これ〜?」みたいな。
 
SHIORI 「今日はめんめんがよかった」とかね、言うんだよね。
 
横澤 悔しいですよね。
 
SHIORI 悔しいなって思うけど、とはいえ我々大人も「今日はパスタが食べたい気分だ」とか「今日は肉が食べたい気分だ」とかあるじゃない。だから子どももそれがあって当然かなって。
 
横澤 そう言われて、そのメニューを作るんですか?
 
SHIORI いや、作らないですよ。作らないでしょ? そんなに人生甘くないよ(笑)。
 
横澤 (笑)。でもママ友で「うどんがいい」って言われたらうどんを出す人もいるって聞いて、すごいと思ってて。
 
SHIORI やってたときもあるけど、もったいないから。「いや、今日はこれしかないからこれを食べるんだよ」って、説得です。


大事なのは食事の時間を楽しめること

横澤 今日の夜ごはんは何を作るんですか?
 
SHIORI 今日は何を作ろうねぇ。
 
横澤 全然考えてない状態で家に帰って、食材を見て考えるってことですか?
 
SHIORI いやいや。息子がちゃんと完食してくれるメニューが何パターンかなので、その中で。
 
横澤 わかる。限られてきますよね。
 
SHIORI 最初の頃は無理してでもこちらが食べさせたいもの、栄養バランスが良いものを食べさせようとしたんだけど、結局食べたがらないし残すし、食が進まない。それで「食べなきゃダメよ」って怒ってた。でもそれだと、食事の時間が楽しいものじゃないなって思って。なので最近は、息子がちゃんと食事を楽しめるもの、「おいしい」って言ってちゃんと食べられるものをなるべく出すようにしてます。
 
横澤 あぁ、たしかに……食事が楽しいってこと、忘れてました。
 

無理やり食べさせるのではなく、進んで食べるものを見つける

SHIORI いつもガミガミ怒りながら「野菜食べなさい」「これも食べなさい」って言うより、まずは「食事って楽しいんだな」「食べることって楽しいんだな」って体感してもらうほうが未来は明るいんじゃないかなって思考にシフトして。なので、息子がこれなら絶対食べる何パターンかをぐるぐるぐるぐる回しながら、たまに初めてのものを差し込むような感じです。
 
横澤 ブロッコリーばっかり出してました……。
 
SHIORI ブロッコリー、食べる?
 
横澤 全然食べないです。でもブロッコリーが一番栄養価が高いって言われて、「とにかくブロッコリー食べろ」って。やっぱり無理に食べさせるより進んで食べるものを見つけたほうがいいですよね。
 
SHIORI いろんな考えがあるからこれが正解でもないんだけど、うちの場合はまずは「ごはんって楽しいものだよ」「食事の時間って楽しいんだよ」ってことを知ってほしいなと思って。息子が食べないものは無理に食べさせるより、私や夫が「いらないの? 食べちゃうよ」「おいしい、おいしい」っておいしく食べている姿を見せることによって、そのうち子どもが興味を持ってくれたらいいなと思ってます。日々、試行錯誤です。
 
横澤 まずは食事の大事さ、食事の楽しさですね。根本的な部分を教えてくださって本当にありがとうございます。あっという間にお時間になってしまいました。まだまだ聞きたいことがたくさんありますので、次週も教えていただけますとうれしいです。

【ほかにも……】
・30〜40代日本人男性の半数の胃袋は、SHIORIさんがつかんでる!?
・雑貨みたいにかわいい料理本を作りたかった――『彼ごはん』誕生の裏側
・オンライン料理教室コミュニティを立ち上げた理由


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